THE WATANABE COLLECTION

工芸・民芸品

鳥取県指定保護文化財
松に猿嵌木丸額
西村荘一郎(にしむらそういちろう)
径105.0(cm)
明治時代

橡(とち)の板に紫壇や黒壇、黒柿などの木片を埋め込んで松の枝に親子三匹の猿が戯れている様子を描いた木象嵌です。松葉・ツタの葉脈・猿毛の一本まで細密に象嵌した細緻巧妙な作品です。 作者の西村荘一郎(1846~1914)は明治時代を中心に活躍した御来屋村(現・鳥取県西伯郡大山町)出身の木象嵌師です。9歳の時に西村嘉六の養子になり、20歳で埋木細工師長谷川治左衛門に弟子入りし、彼の技術をすべて受け継ぎました。幼いときから絵を好んで描いていたため、自ら下絵を描いて作品を作り、独自の世界を切り開きました。 荘一郎は明治6年(1873)のウィーン万国博覧会で賞状・賞牌を受賞したのをはじめ、国内外の博覧会に作品を出品して様々な賞を受賞するなど輝かしい業績を残しました。イギリス王室や日本皇室に買い上げられた作品もあります。

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