THE WATANABE COLLECTION

工芸・民芸品

松竹梅太公望文日月硯
作者不詳
渭原石(いげんせき)製
29.5×20.0×3.0(厚)(cm)
朝鮮王朝時代

中央の磨墨部が太陽、墨池部が月を表していることから日月硯(じつげつけん)と呼ばれています。周囲の文様は非常に精緻で松(左上)・竹(右下)・梅(左下)や太公望(中央下)などの吉祥文が施されています。 渭原石は朝鮮半島を代表する石の一つで半島北部を流れる渭原江(鴨緑江の支流)で産出され、この石で作られた硯は「渭原端渓」と呼ばれて珍重されました。本硯は材質や大きさ、技巧から16世紀後半から17世紀前半にかけて贈答用に作られた特別品と考えられています。 なお、寛永帝の御物であり、後に鳥取藩絵師の土方稲嶺〔ひじかたとうれい:寛保元年(1741)~文化4年(1807)〕が江戸市中で入手したという由来が硯箱に記されています。

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