鳥取ではかつて伯耆国(鳥取県中西部)を中心にたたら製鉄が盛んに行われ、刀剣をはじめとする鉄製品の一大産地でした。反りのある日本刀の始祖ともいわれ、国宝「童子切安綱」の作者である「伯耆安綱」もこのあたりで作刀に従事していたことが知られています。江戸時代には当地の「印賀鋼(いんがはがね)」が日本一の品質と評されるほどになりました。
一方、鳥取城下の因幡国(鳥取県東部)でも、地元出身の濱部寿格をはじめ、因州兼先、信濃大掾忠国ら御用鍛冶たちが、鳥取藩のもとで作刀に腕を振るっていました。本企画展では、室町末期から幕末にかけて鳥取で作刀された名刀――兼先・忠国・濱部・廣賀などとともに、鳥取在住の現代刀工・金崎秀壽氏の作品を交え、25振の日本刀を展示します。